障がい当事者の「生理のリアル」座談会。最新アイテムで悩み解決のヒントを見つけよう!

生理の悩みは、人それぞれ。特に障がい当事者にとっては、身体的に困ることや、体調、生活環境などが重なり、負担がより大きく感じられることもあるはず。とはいえ、周囲に相談しづらかったり、「仕方ない」と我慢したりする女性も少なくありません。

そこで今回は、生理に悩みを持つ読者3名と生理アイテムの専門家を招いて、座談会を実施。それぞれの悩みや工夫を語り合いながら、最新の生理アイテムにも触れ「生理を快適に過ごすためのヒント」を探りました。

★今回参加してくれた方はこちら!

Megさん(37歳 脊髄性筋萎縮症(SMA))
夫と1歳の子どもとの3人暮らし。もともと生理不順で、経血量は多め。トイレに頻繁(ひんぱん)に行けないこともあり、タンポン・パッド・ショーツ型生理用品を併用して対策している。PMS(月経前症候群)※や出血量の多さに悩みつつ、日常生活への負担をどう減らすか模索中。

※生理前にあらわれる心や体の不調のこと。イライラや気分の落ち込み、眠気など、人によってさまざまな症状がある。

志岐 里紗さん(39歳 精神疾患・発達障がい)
家族は夫とハムスター。PMSが重く、生理前からの体調不良や情緒の波に悩んでいる。疲れやすく、日中に寝落ちしてしまうことも多いため、モレ対策として夜用ナプキンを常用している。

榎本 佑紀さん(34歳 脳性まひ)
両親と暮らしながら、Co-Co Life☆女子部の事務局として活動。PMSによる眠気や体調変化があり、現在はショーツ型の生理用品を使用しています。アプリで周期を管理しながら対策しているが、より使いやすい生理アイテムを探している。

神林 美帆さん インテグロ株式会社 代表
2018年より、月経カップや吸水ショーツなどの生理アイテムの輸入・販売を開始。自身がこれらの新しい生理用品に出会ったことをきっかけに、日本でも選択肢を広げたいと事業をスタート。現在は商品の販売だけでなく、生理や身体の仕組みに関するセミナーや情報発信も行い、女性が自分に合った方法を選べる環境づくりに取り組んでいる。

頻繁にナプキンを替えられない、疲れやすくて寝落ち…障がいがあるからこそのリアルな悩み

Co-Co Life☆女子部編集スタッフ(以下Coスタッフ) 今日は生理をテーマに座談会をおこなうということで、みなさんにお集まりいただきました。まずは、それぞれのお悩みについて聞かせてください!

Megさん 私はもともと生理不順で、量も多いです。でもトイレに行く体力を考えると、そう頻繁に行けないので、生理中はショーツ型の生理用品に尿とりパッドを当てて、長時間用のタンポンを入れています。

でもタンポンを入れていると異物感があるし、尿とりパッドは吸収量があっても微妙に位置がずれるとモレるし、気になることは多いです。

神林さん たしかに、尿とりパッドは尿のために作られているからそもそも吸収する位置が少し前なのかな。不安を抱えながら生活されているのですね。

Coスタッフ 夜もタンポンを使っているのですか?

Megさん はい、タンポンじゃないと翌朝のシーツが殺人現場みたいになるので(笑)。

Coスタッフ それは大変ですね……! 志岐さんはどうですか?

志岐さん はい、私はPMSの症状がひどくて、以前はピルを飲んでいたこともあるのですが、合わなくてやめました。胸の張りやイライラが生理の10日前くらいから出てきて、つらいです。

生理痛も腹痛と腰痛が重くて、痛み止めを飲んでなんとか過ごしています。小学校6年生から今まで毎月生理がきていますが、いまだにこのつらさには慣れないですね……。

Coスタッフ 量はどうですか?

志岐さん うーん、基準がわからないのですが、多分普通か、少し多いくらい? でも、普段から精神疾患で疲れやすいので、昼間から横になって寝落ちすることが多くて、昼用のナプキンをつけて寝てしまうと、モレてしまうんです。だから昼から夜用を使うこともあります。でも、夜用は服に響くし、価格も昼用に比べて高めなので、できればたくさん使いたくないなと思ってます。

神林さん それは心配ですよね。タンポンは使われてないんですね?

志岐さん はい、生理になったばかりの小学校の時に興味本位でタンポンを使ったことがあったのですが、さっきMEGさんがおっしゃってたように私も違和感があって、それっきりです。あとは布ナプキンも試しましたが、ずれるのが気になって、使わなくなってしまいました。肌には優しいからいいかなと思ったのですが。

神林さん そうなんですよね。実際に使ってみて、違和感があったり、ずれが気になったりすると、なかなか続けにくいですよね。

布ナプキンとかオーガニックのものって、やっぱり肌触りがいいとか、心地よさで選ぶ方が多い印象があります。

一方で、普通の紙ナプキンについても、「体にあまりよくないのでは?」と気にされる方もいらっしゃるんですけど、今のところ、使われている成分が健康に悪影響を与えるというはっきりした医学的な根拠はないとされています。

なので、「体に悪いからこっちを選ばなきゃ」と無理に変える必要はなくて、ご自身が使いやすいものとか、安心できるものを選んでいただけたらいいのかなと思います。

志岐さん そうなんですね。オーガニックも肌触りがいいなと感じていましたが、ちょうどいいサイズがなくて、結局紙のナプキンを使っています。

Coスタッフ 生理用品の素材に対しては神経質に考え過ぎず、使いやすさで選んでも良いのかもしれませんね。榎本さんはどんな悩みがありますか?

榎本さん 私もPMSが強いです。生理中は口内炎ができやすかったり、一日中眠かったりという身体の変化がつらいですね。生理用品は、手のこわばりがあってナプキンを取り替えられないので、ショーツ型のものを使っています。

Coスタッフ 周期は安定している?

榎本さん はい、20代の頃は不安定でしたが、30代になってアプリで周期を管理するようになったら、なぜか安定するようになりました(笑)。

神林さん なんでですかね(笑)。アプリで管理するようになると、自分の体に意識が向くからかもしれないですね。でも、アプリはいつ生理が来るかわかるから便利ですよね。

進化した生理用品をチェック!実際に触れてみた

Coスタッフ では、ここからは神林さんとともに、最新の生理アイテムを見て行きたいのですが、編集部の方でもさまざまな生理用品を集めてみました。

みなさん、気になるものはありますか?

志岐さん この小さな船の形のような生理用品(上の写真右下)はなんですか?

神林さん これは2018年ごろからSNSで話題になって広まった、体につける生理用品(商品名:シンクロフィット)です。このようにシンクロフィットに指を差し込んで、膣の入り口に押し当てて挟みます。タンポンのように中に入れる必要はありません。ナプキンだけだと、量が多い時はモレる心配がありますが、こちらをプラスすることで、ドバッと経血が出た瞬間や長時間トイレに行けない時も、まずここで吸収してくれるので、安心なんです。

しかもトイレに流せるので、トイレに座って足を開けば、ぽとっと落ちてあまり手を使わずに捨てられます。便利ですよね。

志岐さん へぇ!すごいですね!

Coスタッフ 先ほど、志岐さんは布ナプキンを使ったことがあるとおっしゃっていましたが、他の方は触ったことありますか?

榎本さん 布ナプキンは触ったことなかったです。でもやっぱりボタンの付け外しが私には難しいですね。

神林さん そうですよね。人によっては、ボタンの付け外しが難しいこともありそうですね。布ナプキンは、洗って繰り返し使えるのがエコで良いところなんですけど、その分、取り替えたりや洗ったりすることが少し手間に感じる方も多いかもしれません。

最近だと、同じように繰り返し使えるタイプで、ショーツと一体になっている“吸水ショーツ”を選ぶ方も増えていますよ。

榎本さん ショーツ一体型なんですね。これにナプキンをつけなくても大丈夫なんですか?

神林さん そうなんです。股の部分(クロッチ・上の写真の黒い布の部分)が4層構造になっていて、吸水・速乾・防水・通気の機能を持つ生地を重ねて、外に漏れにくいように作られています。肌に触れる部分の生地はサラサラしていて、吸収しても蒸れにくいんです。生理が始まりそうなときにはいておくと、いつ来ても大丈夫という安心感がありますし、終わりかけでダラダラ続く時期も、より快適に過ごせますよ。

志岐さん たしかに、生理周期管理アプリで生理始まるって通知きてから、念のためナプキンをつけていたのに、結局こなくて無駄にするってことがよくあるんですが、吸水ショーツがあればそんなこともなくなるんですね!

これって、どのくらい吸収してくれるんですか?

神林さん メーカーやブランドによって違うんですが、一般的にはナプキン2~3枚分くらいは吸収します。お尻の後ろまで吸収する部分があるタイプなら、寝ている時の伝いモレもカバーしてくれるので、夜も安心してぐっすり眠れますよ。

Coスタッフ お手入れはどうすればいいのでしょうか?

神林さん 布ナプキンと同じで、使用後はまず手洗いをします。水かぬるま湯で押し洗いして、経血が浮いてこなくなったら、そのあと洗濯機で洗うこともできます。ただ、生地の傷みや吸収力の低下を防ぐために、乾燥機や柔軟剤は使わないように注意してくださいね。

志岐さん シンプルでおしゃれなデザインだから、干すのも気にならないですね!

Megさん たしかに。これならショーツ型の生理用品と換えてもよさそう。あと、ヘルパーさんにも勧めたいですね。よくズボンに血がモレてしまっているのを見るので。

Coスタッフ そうですね、トイレに行く時間が読めなかったり、身体を使うヘルパーさんは使いやすいかもしれませんね!

神林さん ナプキンとの併用することもできるので、午前中はナプキンも使って、午後はナプキンをはずして吸水ショーツだけで過ごすとか、自分で調整できるのもいいですよね。

志岐さん そうか、これならショーツが吸収してくれるから、昼用のナプキンをつけたまま寝落ちしても安心ですね!(笑) 

志岐さん 月経カップも初めて見ました。これはどう使うのですか?

神林さん これは膣の中に入れて、経血をカップに溜めて使う生理用品です。

使い方は、まず手を洗って清潔にして、カップを膣に入れるためタンポンの先くらいの細さに折りたたみます。折り方にはいくつかあるのですが、たとえば、カップの縁を指で内側にくにゅっと折り込んで「7」のような形にします。

神林さん 細くなった先端を膣の中に入れて、カップがしっかり入ったところで、指を離すと、パッと開くんです。すると、カップの縁が膣の壁に密着します。正しく装着できれば、どんなに動いても、ほどよい弾力と柔らさが膣にフィットして、モレることはほぼありません

一同 おお~っ!

神林さん 使うととても快適なんですが、慣れるまでに2〜3か月くらいかかることが多くて、そこが最初のハードルかなと思います。

でも、慣れてしまえば漏れにくいですし、タンポンのひものように外に出ているものもないので、温泉やプールにも入れます。

それから、繰り返し使えるのでゴミが出ないのもうれしいですよね。5年〜10年くらい使えるので、結果的にコスト面でもメリットがありますよ。

Megさん 子どもも犬も、ゴミ箱を漁るクセがあるので(笑)、ゴミが増えないのは助かります。

志岐さん 温泉に入れるのもいいですね!

最新生理アイテムの選び方やお手入れ方法もチェック

榎本さん これは私には細かいし、ちょっと堅くて難しいな……。でも便利ですね!

志岐さん 防災用品として見ていて知っていたけど、本物は初めて触りました。溜まった経血はどうやって捨てるのですか?

神林さん 外すときも、少しコツがあります。カップの下についているステム(尻尾の部分)をそのまま引っ張っても、密着しているので、なかなか下りてこないんですね。

なので、端のほうから膣に指を少し入れて、カップを軽く押してつぶすと、密着が解除されます。その状態でゆっくり引くと、するっと取り出せます。

あとは、中にたまった経血をトイレに流して、トイレットペーパーなどでカップの中を軽く拭いて、また装着して使います。家にいるときは、水でさっと洗ってから装着することもできますね。

Coスタッフ サイズはどう選ぶのがよいでしょうか?

神林さん サイズによってカップの径の大きさが違うんですが、選び方のポイントは、経血量よりも、骨盤底筋の状態なんです。目安としては、出産経験があるかどうかがよく使われます。出産を経験されている方は、妊娠、出産を経て骨盤底筋がゆるみやすいこともあるので、少し大きめのサイズのほうがフィットしやすいと言われています。一番小さいサイズは、まだ体が発達段階にある10代の方向けです。このサイズだと、気持ち的にも安心して使いやすいと思います。

また、出産経験のある方は、体に入れることへの抵抗感が比較的少ないこともあって、タイミング的に始めやすいという声もよく聞きます。

Megさん たしかに、私は帝王切開だったけれど、産婦人科の内診の時に器具を入れられるのに慣れているから、全然抵抗ないですね。でも、カップを取り出した後に血がバーッてこぼれちゃいそう….。

神林さん そうですね。最初のうち慣れるまでは、お風呂場など、こぼれてもいいところで取り出すことをおすすめします。

Coスタッフ 使う前に、自分の身体をよく知っておく必要もあるかもしれませんね。

神林さん はい、たとえば、膣の向きを理解しておくと、カップをスムーズに挿入しやすいです。膣は平面図で見るとまっすぐ上に向いているイメージがあると思いますが、実は、尾骨のほうへ斜め上に向いているんです。タンポンを使ったことがない方は、まずは自分の指を入れて方向を確認するといいと思います。

志岐さん 普段のお手入れはどうすればいいんですか?

神林さん 生理期間中は、基本的に1日1回、お風呂やシャワーのときに取り出して、水でさっと洗うだけです。洗ったらそのまままた装着できるので、お風呂上がりがとても楽ですよ。

生理期間が終わったら、煮沸消毒をすることをおすすめしています。鍋を使って煮沸するか、耐熱のカップに水を入れて電子レンジでチンしても大丈夫です。医療用シリコーン100%なので、耐熱性や耐久性に優れていて、皮膚や粘膜にもやさしい素材なので安心して使えます。

志岐さん なるほど。うまく使えるかは自信がないけど、生理アイテムの選択肢が増えるのはうれしいですね!

生理をもっと快適に…「知ること」が自分を大切にするヒント

Coスタッフ では、今回さまざまな生理アイテムを見てきましたが、いかがでしたか?

榎本さん いろいろ勉強になりました!吸水ショーツとか、自分でも使えそうなものが見つかったのがよかったです。月経カップは、自分にはちょっと難しそうだと思ったけど、知識として知っておけば、友達が困っている時に「こういうのもあるよ」と伝えられるかもしれないなと思ったので、今日実物を見れてよかったです。

Megさん たしかに。友達と生理の話とかすることが多いから、興味ある子に月経カップをプレゼントしようかな。

志岐さん 私も、実際に手に取って見たのは初めてのものが多くて、「食わず嫌いしていたな」と感じました。これまでは雑誌や情報だけではよく分からなかったのですが、使い方や選び方を聞くことで、ぐっとハードルが下がった気がします。

知らないものって、やはり怖いと思うんですが、今回のように知ることで「ちょっと試してみたい」「もう少し調べてみたい」と思えますよね。最初は難しいかもしれないけれど、挑戦してみようかなと思えたのは、大きな変化でした。選択の幅が広がったので、もっと自分に合うものがあるかもしれないと希望を感じました!

Megさん 私はもともとこれらの生理アイテムは知っていましたが、改めて「自分も使えそうだな」と感じました。きっと、こういうアイテムを知るためには、生理について話すことが大切なんですよね。

というのも、自分が子どもの頃、家族の中で生理の話をすることがタブーみたいな空気があったんです。でも、自分が親になった今は、そういうことこそちゃんと伝えていくことが大事なんだろうなと思っていて。

うちは息子なんですが、男の子でも「こういうことがあるんだよ」と知っておくことが理解につながると思うんです。知らないことで誤解が生まれたり、困ったりする場面もあると思うので、これからは男女関係なく、自然に話せる環境が大事だなと感じました。

志岐さん うんうん、知っていれば自分自身を大事にもできますし、男性も知識を持つことで、女性の身体を大事にできるようになったらいいですよね。

Coスタッフ そうですね。では、神林さんも今日のご感想と、読者へのメッセージをぜひお願いします!

神林さん 今日はみなさん、本当にありがとうございました。こうして障がいのある方と生理についてゆっくりお話しする機会は、私自身にとっても大きな学びになりました。

みなさんのお話を聞いていて印象的だったのは、いろいろな生理ケアの方法を知ることで、「これからの過ごし方が少し良くなるかもしれない」と感じていただけたことです。知ることで選択肢が広がると思うので、その中からご自身に合うものを見つけていただけたらいいなと思います。

また、みなさんの声を直接聞くことができるこうした場が増えていくことで、アイテム自体ももっと進化していくと思いますし、一人ひとりに合った形で、少しでも快適に過ごせる方法が増えていくといいですよね。

すぐにすべての悩みが解決するわけではないかもしれませんが、実際に試してみる中で、「こんな方法もあるんだ」と気づけることが、次の一歩につながるのではないかと思います。

そして、生理について気軽に話せる環境が少しずつ広がっていくことも、安心して過ごせることにつながっていくのではないかと感じています。身近な方と、困っていることや使っているアイテムについて、ぜひ気軽に話してみるところから始めていただけたらうれしいです。


生理の悩みのすべてを一度に解決するのは難しいですが、知識を得て、実際にアイテムに触れることで見えてきた「知らなかった選択肢」が、解決のヒントにつながるのかもしれません。

同時に、生理について話せる環境づくりも、社会全体の理解や安心につながりそう。知ること、話すこと、その積み重ねが、少しずつ過ごしやすさを広げていくのではないでしょうか。

まずは、生理と向き合っていくきっかけとして、身近な方と生理の困り事やアイテムについて、ざっくばらんに話すところから始めてみましょう。

▼紹介したアイテムの詳細はこちら!

月経カップ
https://integro.jp/collections/menstrual-cup

吸水ショーツ
https://integro.jp/collections/period-underwear

インテグロ株式会社
https://integro.jp

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ソフィ シンクロフィット
https://www.sofy.jp/ja/products/syncrofit.html

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【特集】もっと語ろう!私たちの生理(Vol.30:2020年春号)

写真:梅沢 香織 取材・文:関 由佳