【Web版】おカネのギモン解決します(4)障害年金受給中の老齢年金納付の必要性

◆今回のギモン

障害年金を受給中ですが、老後のために現在支払いを免除されている老齢年金も納めた方がいいのでしょうか?

障害年金受給中の老齢年金保険料の考え方

障害基礎年金、障害厚生年金の1級または2級を受給している場合、もしくは生活保護法による生活扶助を受けている場合に、保険料が全額免除される制度があります。

ただし、障害年金を受給中でも、就業して厚生年金に加入している期間は免除にはなりません。他にも免除される例として、本人、世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業等により経済的に納付が困難なときに申請し、承認されると申請者本人が免除されます。

この方の場合、現在障害年金を受給中で法定免除となっていますが、将来の障がいの状態や経済的な負担の度合いで、納付するかどうかを決めるとよいでしょう。障がいの状態が変わらない、または重くなりそうで、今後も障害基礎年金が受給できるのであれば、法定免除のまま。また、軽くなる、もしくは治る可能性が高い場合は、障害年金が支給停止になったときのために、経済的な余裕があれば納付を考えてもよいと思います。もちろん老齢年金を納付しているかどうかは、以降の障害年金の審査に影響はありませんので、ご安心を。

ただ、もしまだ障害年金の申請をしていない方で、保険料を未納のままにしているなら、必ず手続きをしておきましょう。老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金、遺族基礎年金を受給することができない場合があります。何らかの事情で支払えないときは、免除が適用できる可能性もありますので、年金事務所や市区町村の国民年金課に相談してください。免除や納付猶予になった保険料は、10年以内であれば後から納めて年金額を増やすこともできます。

保障制度を上手に利用して、生活の支えに役立てましょう。

これで解決!

自分の将来を見据えて、よりよい選択を検討しよう。

答えてくれたのはこの人!

有賀 智奈美(あるが・ちなみ)
偽性軟骨無形成症。社会保険労務士で、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2012年から年金事務所にて年金相談を専門。2020年から障害年金に特化した社労士として活動中。