Co-Co Life☆目線 みんなの声♯1「障がい者の病院事情」 アンケート調査してみました!

何かと悩みが多い、障がい者の病院通い。通院で半日つぶれるコトも多いけど、みんなどうしてる?  そこで、Co-Co Life読者に通院のあれこれを、ライターjunkyabe(ADHD・自閉症スペクトラム)が聞いてみました!  みんなの通院事情と病院にまつわるエピソードを紹介します。面倒な病院通いですが、その中で自分なりの楽しみを見つけている人もいました。

【通院編】

Q.病院に行くのは月に何回くらい?

Q.通院にかかる時間はどのくらい?

Q.病院に付き添いは必要?

Q.付き添ってくれるのは誰?(複数回答)

Q.通院後はどう過ごしてる?(複数回答)

Q.通院での困りごとはある?(複数回答)

通院編 まとめ

「人混みが苦手」という人は、障がいの種類を問わず一定数いました。

また、半数以上の人が病院の付き添いを希望していました。

しかし「誰に頼めばいいか」という悩みも抱えています。

長い付き添い時間を考えると、頼める人は限られてしまうので「家族に頼んでいる」と答えた人が大半でした。

「公的なサポート」や「民間のヘルパー」を活用している人は少数派。

「家族のことは家族がする」という実情がわかりました。

【待ち時間編】

Q.病院の待ち時間どのくらい?

Q.待ち時間の過ごし方は?(複数回答)

待ち時間の過ごし方

  • 「近くに食事に行く、車内で過ごす」(satomin・40代/左変形性股関節症)
  • 「刺繍」(彼方・20代/双極性障がい)
  • 「山奥で自然がいっぱいなので景色を眺める」(あやみん・30代/性分化疾患)
  • 「人間観察」(気迫・30代/変容性骨異形成症)

待合室にあればいいと思うもの!

  • 「ベッドもしくは横になって良いソファー」(彩・30代/特発性過眠症)
  • 「無料WiFi」(たれぱんだ・40代/身体障がい)
  • 「車いすでも利用できる自販機」(車イスにゃにゃ・30代/先天性ミオパチー)
  • 「もう少し多めに車いすスペースが欲しい」(あまね・20代/痙性対麻痺)

【診察編】

Q.診察は男性医師と女性医師どっちがいい?

Q.お医者さんは、じっくり話を聞いてくれる?

Q.わからないコト、お医者さんに質問できる?(複数回答)

 

聞きたいコト、困っているコトを上手く伝えるには?

  • 「A4用紙1枚にまとめて診察時に見せている」(瑞希・30代/身体及び精神障がい)
  • 「この1ヶ月にあったことを文章にしているので、もう一度目を通しています」(あのりん・40代/双極性障がいⅡ型)

 

Q.障がいや難病によって、病院で嫌な経験をしたことはある?

病院で嫌な思いをしたエピソード

  • 「お会計が県などの補助で無料になるので、私に聞こえる声で嫌味を言われた」(hana・40代/二分脊椎症)
  • 「障がいをよく理解せずに、健常者をベースに発せられた言葉には、ちょこちょこ気にかかることがあります」(I.M・20代/脊髄性筋萎縮症)
  • 「聞こえないことを伝えているのに、受付の方が口頭で名前を呼んだので返事ができなかった。筆談に応じてもらえなかったこともある」(ゆき実・50代/聴覚障がい)
  • 「身体障がいなのに精神的なもので終わらせられてしまうこともある」(琴・20代/線維筋痛症)
  • 「車いすというだけの理由で、赤ちゃん言葉を使われる」(はる・20代/筋疾患)

診察編 まとめ

医師は診察のとき「じっくり話を聞いてくれる・何でも相談できる」と答えた人が多数派でしたが、中には「何を聞けばいいか分からない」「困りごとを上手く伝えられない」と答えた人もいます。

「聞きたいコトを上手く伝えられない」という悩みは、精神障がい・知的障がい・聴覚障がいなど、会話のやりとりに不自由さを感じている人から多く回答がありました。「付き添いの人に伝えてもらう」など、苦手なことは一人で抱え込むより助けを借りてもいいと思います。

医師の性別については男・女「どちらでもいい」と答えた人が大半。

性別よりも、障がいを理解してくれるか、じっくり話を聞いてくれるかの方が重要なのだとわかりました。

「障がいを理由に病院でイヤな思いをした?」という質問に「はい」と答えた人は全体の半数近く。その多くは、障がい者への誤解と偏見による心ない言動でした。多数派の健常者が感じる「当たり前」を押し付けられて、モヤッとした人や、障がいや病気の特性を医師から理解されず、病院をたらいまわしにされた人もいます。難病や障がいをきっかけに二次障がいを発症するケースは、珍しい話ではありません。二次障がいに対する理解の無さでイヤな思いをした人もいました。

【ときめき編】

Q.医療従事者にときめいたことはある?

病院であった「ときめき」エピソード!

  • 「担当の先生がかっこよかった!入院中に毎朝毎夕の様子を見に来てくれるのがひそかな楽しみでした」(さっち・30代/先天性骨形成不全症)
  • 「なかなか理解されない疾患なのに、理解してくださって嬉しかったです」(あず・20代/右下肢複合性局所疼痛症候群)
  • 「血管が細いため、採血等の検査に何回も針を刺されて毎回四苦八苦するのですが、一発で成功した時は非常にときめきます(笑)(恋愛感情ではない)」(I.M・20代/脊髄性筋萎縮症)
  • 「性同一性障がいの治療の時に、なかなか家族の理解が得られず、家族を連れて行ったらものすごく真剣な眼差しで理路整然と医師が説明してくれた時。惚れてまうやろー!って思ってしまいました」(あやみん・30代/性分化疾患)

病院のちょっといい話

みんなのほっこりエピソード教えてもらいました!

  • 「カウンセラーの先生がとても好きで信頼できる。素敵な先生に会えるまで道のりは長かったけど出会えてありがたい」(まーや・30代/IBS、強迫性障がい)
  • 「歩行できた時は主治医から今日は歩けたね〜!と言ってもらえたり、自分がやりたいと思うことを肯定して応援して貰えることは嬉しいです」(るな・30代/線維筋痛症)
  • 「絶食中、主治医が「絶食後、食べれるようになったら一緒に食堂でうどん食べよう」と言ってくれ、実際に食べに連れて行ってもらいました。その時のうどんは格別でした」(misato・50代/クローン病)
  • 「子どもの頃から通っている病院に大人になってから行っても、親しみを感じる呼び名で呼んでくれたり、ずっと気にかけてもらえていて、第2のふるさとのようなあたたかい気持ちになります」(ピスタチオ・10代/脊髄腫瘍)
  • 「再入院した時、薬の効き目が悪く、体調不良が続いて無理していた事に気がついてあげられなかったと主治医から言われた事が救われた思いがしました」(たみぶん・50代/若年性パーキンソン病)
  • 「入院している時、掃除のおばちゃんと仲良くなり、退院する時に内緒で文具品をくれました『掃除のおばちゃんなのに、いつも挨拶や、体調気遣ってくれてありがとう!』と褒められたことが嬉しかったです」(カノン・30代/知的障がい(境界知能)適応障がい)

ときめき編 まとめ

病院でときめきを感じたことが「ある」と答えた人は、全体の3割強。

「ときめき」を意識しない人もいますが、病院で感じる「ときめき」は、ちょっとした心のご褒美。障がいに理解のある対応に「きゅん」とする人が多いようです。

ときめきを感じるシチュエーションは、恋愛だけではありません。採血が上手くいった時に「よし!」などと、自分だけのひそかな楽しみを見つけている人もいました。面倒な病院通いの中で、ささやかな楽しみを見つけることは、病気と向き合う上でも前向きになれる大切な心構えなのかもしれません。

障がいを理解し、親身になってくれた医療スタッフに感謝する意見が多く寄せられました。

【番外編】ちょっと気になる美容医療

Q.美容クリニックに行ったことはある?

番外編 まとめ

脱毛や美肌、プチ整形などキレイになるための施術を受けられる美容クリニック。Co-Co Lifeの読者の中で、美容クリニックを利用した経験がある人は2割もいませんでした。「行ったことがある」と答えた人のうち、受けた施術で最も多かったのが「脱毛」、中には「障がいに伴う施術」を受けたという人もいました。

ちなみに株式会社アチーブ(https://achieve-inc.co.jp/)が全国の10代~20代の男女を対象に「美容整形・美意識に関する実態調査」を実施した際のデータでは「プチ整形を含めて、整形をしたことがある」と答えた人は28.6%でした。さらに「興味はある」と答えた人は36.1%でした。

Co-Co Life読者の中にも「気になってはいるけど」という人もいるのかもしれませんね。

アンケートを終えて

国民平均より病院へ足を運ぶ回数が多い、Co-Co Life読者。

それだけ、障がいのある人にとって病院は、身近な存在とも言えるでしょう。

通院回数が多い分、病院の中で良くも悪くも周囲のさまざまな言動に出くわします。障がいに対する無知と偏見に傷つくこともあれば、理解や励ましが心の支えになる経験もあります。

障がいに理解を示し寄り添う姿勢を見せる病院は、当事者が「心のよりどころ」と呼べる信頼関係を築けると思います。


□この記事を書いたライター

名前:junkyabe

障がい名:発達障がい(ADHD・自閉症スペクトラム)

□イラスト

名前:車イスにゃにゃ

障がい名:先天性ミオパチー

クスっと笑える車いす女子の日常を描いたブログを運営。

「車イスにゃにゃのにゃんのその絵日記」

http://kurumaisunyanya.livedoor.blog/