☆【お仕事Q&A】あなたの”お仕事の悩み”に、中村社長が答えます!
Co-Co Lifeでは、テンプスタッフフロンティア(株)と共同で、お仕事に関するQ&Aコラムを掲載いたします。
皆さんのお仕事に関する悩み・質問に、障がい者雇用に詳しいパーソルサンクス株式会社の中村社長が答えてくださいました。
★momokoさん(40歳・女性)からのご質問
(先天性の骨疾患による四肢体幹機能障がい。電動車いすユーザー。
歩行は全くできません)
昨年秋まで、一般企業の正社員として生産管理事務の仕事をしていました。
主に工数管理や原価管理、見積書作成などを担当していましたが、昔からどうしてもやりたい仕事があり、諦めきれずに悩んでいました。
そんな折、会社からの「早期退職制度」の提示があり、その制度を利用して辞職。 現在は、技術専門校で本の編集や印刷、グラフィックデザインの勉強をしています。
希望職種は出版関係。ライターや編集の仕事に就きたいと思っております。
10数年前にDTPオペレーターを3年ほど経験しましたが、ライターの経験はこれまでほとんどありません。 車いすで出版関係の仕事に就いているという話も聞いたことがなく、実際に障がい者雇用の募集も見かけません。 現状として、未経験の40代がこの業界に就職できる可能性はあるでしょうか。
もし過去の事例などがあれば、具体的に教えていただきたいです。雇用形態には拘っていません。
また、どんな形なら可能性があるでしょうか。
momokoさん、ご質問ありがとうございます。
「”本の編集・印刷、グラフィックデザイン”を技術専門校で学ばれており、年齢と経験から就職できる可能性はあるか?」とのことですが、可能性は0ではないと思います。ただし、大変厳しい現状があるとお伝えせざるを得ません。
当社グループには、ライターや編集の仕事や出版業界などに強みを持つ会社もありますが、特に中途採用に関する求人条件は、経験を重要視の傾向が強いとの事です。
また、この職種・業界はいわゆる人気業種で、求人数と求職者数のバランスから見ても、就職が難しい仕事の一つです。 momokoさんもそうですが、この職種・業界を目指して勉強している方が大勢いるということ、そのための専門学校なども多く存在しているということが、その状況を説明しています。
けれども「可能性は0ではない」とも考えます。
根拠は、出版関係の会社は中小企業も含めると数多くあり、また、フリーランスで働いている方も少なからずいる業界だからです。
フリーになるためには、プロとしての実績・経験や独創性・人脈なども必要にはなりますが、「雇用形態(働き方)が多様な業界でもある」という点がポイントになると思います。
例えば、アルバイトから経験を積んでいくという考え方もありますし、求人をしていない企業にも、採用ニーズがあったりもします。
ただ、求人広告の出稿や人材紹介・派遣会社へ求人を依頼している企業は、採用経費をかけてでも人材を採用したいという背景がありますので、必然的に採用基準が上がっており、即戦力的な採用を考えていると言えます。
逆に、給与や雇用形態に大きなこだわりがなければ、求人募集をしていない関連企業について、ご自身や学校、支援者がいればその方々からも情報収集をしたり、企業へのアプローチを取ってみてはいかがでしょうか? ちなみに、新卒の就職活動では30社から50社へエントリーシートを提出して、その内の1社から内定がもらえる・・・という話は珍しくありませんので、それくらいの覚悟も必要になるかもしれません。
またもう一点、momokoさんが電動車いすを使用しているということが、PRポイントになるような事はないでしょうか?
例えば、福祉やバリアフリーという観点の出版物を扱っている出版会社などもあるはずです。
「ユニバーサルデザイン」というキーワードは意外と裾野が広いかもしれませんし、2020年にオリンピック・パラリンピックが東京に決まりましたので、社会インフラ整備に力を入れていくことになる・・・など、 何かしらの追い風があるかもしれません。
繰り返しますが、就職活動は相当厳しいと覚悟して頂かなくてはならないと思います。
が、可能性が0になる時は、就職活動や就職に向けた勉強をやめた時のみです。
活動や勉強をいつまで続けられるかという問題は「やる気」だけではない現実との折り合いですので、ご自身のライフプランをしっかり立て、期限を決めて就職活動をされてみてはいかがでしょうか?