新編集長・土井唯菜からのごあいさつ

いつも『Co-Co Life☆女子部』を応援していただき、本当にありがとうございます。このたび、編集長に就任いたしました、土井 唯菜(どい・ゆいな)です。Vol.30より元山文菜から受け継ぐこととなりました。

私は生まれつき軟骨無形成症という障がいがあります。服飾大学を卒業後、洋服のお直しの会社で働いています。

背は小さいけれど、なんでもチャレンジしてきた私。でも見た目で判断されてアルバイトの面接で不採用になったり、周りに気を使われて頼ってもらえなかったりすることが多くありました。私が周囲の人と対等でいようと頑張っても、やはり対等でないのが現実。生まれつき障がいのある私は、その現実を受け入れるしかありませんでした。でも嫌な思いをすることはありながらも、いじめにあった記憶はなく、淡々と日常を過ごしていました。しかし大学生になったころ、少し年上の同じ障がいの方たちとお話しする機会があり、彼女たちが“引きこもり”や“不登校”という経験をしていることを知りました。同じ病気でも、環境が違うと経験することも気持ちもこんなに違うのかと初めて気づいた瞬間でした。

彼女たちとなにか一緒にできることはないかと考え、思いきってハロウィンで仮装をすることを提案。しかもテーマは「七人の小人」。自分たちの体型を活かした仮装は、会う人会う人「かわいい」と大好評でした。限られた製作時間の中で何度もフィッティングして大変ではありましたが、たくさんの人に自らを見せて、さらに喜びの声をかけられるなんて、今までにまったくない経験。人に見られることが苦痛だったはずなのに、参加したメンバーはみな充足感でいっぱいでした。その経験から、体型にコンプレックスを抱くよりも個性を見せればいいのだということに気付きました。そして「もっとオシャレだと思われたい」「もはやオシャレ過ぎて振り返られるくらい、私にしかできないファッションを身に着けたい!」と思うようになったのです。それからは、自然と人の目を気にしなくなっていました。

そして約4年前、『Co-Co Life☆女子部』と出会いました。キッカケは、同じ障がいを持った友人が誌面に載ったこと。“障がい者だけが載っている女性誌”があるなんて知らなかった私は、大きな衝撃を受けたのを覚えています。読めば読むほど「もっとたくさんの人に知ってもらいたい」「一人でも多くの方の勇気と知識に繋げたい」という思いが募り、バリコレのファッションショーにスタッフとして参加。個性を活かした衣装で踊るみんなの輝く笑顔は、本当にすばらしくて感動しました。『Co-Co Life☆女子部』を通じて、もっともっとたくさんの人を笑顔にしたい、一歩踏み出すキッカケづくりをしたい! と強く思い、今日まで活動をし続けています。

『Co-Co Life☆女子部』は本誌全体のモデルはもちろん、企画立案からライターとして取材、執筆まで、ほぼすべて障がいのある女性たちが自ら行っています。そして、それを支える編集のプロフェッショナルがいます。当事者が発信したい想いを基に、プロフェッショナル達が伝えるための形を組み立てる。そんな障がいの有無に関係なく、多様な価値観を持つスタッフが集まっているからこそ、読者の悩みと想いを表現できる、一般誌にも引けを取らないクオリティの高い雑誌になっています。

来年、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが行われることもあり、ますます障がいに対しての意識も高まってきています。近年ではヘルプマークの認知、さまざまな施設のバリアフリー化と、世間も少しずつ変わってきています。

こころのバリアフリーを目指す本誌は次号で創刊30号を迎えました。また2017年に京都版、2018年には大阪版とエリア展開。さらに2018年3月にはタレント事務所を設立しました。エンタメ界で活躍する障がい・難病のタレントたちを、ぜひ応援してください。

本誌では常に読者の声に耳を傾け、一人でも多くの方の悩み・疑問を解決する糸口となる情報を提供するため、企画・構成するよう心がけています。まだまだCo-Co Lifeサポーターの声が必要です。

これからも読者の一歩を踏み出すキッカケや共感を提供し続けていきたいと思っています。
今後とも、皆さまのお力添えをよろしくお願いいたします。

2019年11月30日 Co-Co Life☆女子部 編集長 土井 唯菜