文化服装学院で「Co-Co Life☆女子部」が講演!

2020年1月27日、東京・代々木のファッション専門学校「文化服装学院」にお招きいただき、「Co-Co Life☆女子部」編集部メンバーが講演を開催しました。

まずは編集部・元山文菜(もとやま・あやな)による講演。
美容専門学校を卒業後、美容師として働いていた元山。立ちっぱなしの仕事の中で脚に異変を感じ、病院に行ったところ、自分の股関節がないことを知ったそう。臼蓋(きゅうがい)形成不全症でした。初めての手術。23歳で障がい者になりました。

ヒールの靴が履けなくなり、重いものが持てなくなって「普通じゃない」毎日がやってきました。また大好きだったファッション雑誌も、「おしゃれは足元から」という文字に胸をえぐられて怖くなり、読めなくなってしまったと語りました。

大学に編入し、卒業。就職活動を始めてからも、リクルートスーツでパンプスが履けない。就職してからは、会社のイベント出展を担当するも立ち仕事がつらいなど、「不便」や「不満」がたくさん。
そんな中、「Co-Co Life☆女子部」の雑誌や、読者たちに出会ってから「当たり前」や「かくあるべき」、また「普通」という感覚を捨てることができたそうです。いろんな体型の、いろんな特徴の人がいて当たり前、という言葉が印象的でした。

「自分を既製服に合わせる」のではなく、「自分に合わせた洋服を選ぶ、作る」やり方があるということを知って欲しい。Co-Co Life☆女子はファッションをもっと楽しんでいい! と抱負を語りました。

またテクノロジーの発達に合わせて、多様な服を作れる時代が来ているので、ファッション業界の方も、さまざまな人に向けた服作りにチャレンジして欲しいと提言しました。

写真左から編集部の元山文菜、編集長・土井唯菜、You→ki(ゆうき)さん、長谷川勇基さん

第二部はファッション・クロストーク。元山に加え、新編集長の土井唯菜(どい・ゆいな)、「Co-Co Lifeタレント部」所属で車いすラグビー日本代表候補の長谷川勇基(はせがわ・ゆうき)さん、車いすタレントYou→ki(ゆうき)さんが登壇しました。

(左)講演した元山文菜 (右)編集長の土井唯菜

土井編集長は、文化服装学院の系列大学である「文化学園大学」で、国際ファッション文化を学んだ後、現在は洋服のお直しショップ「アン・コトン」でソーイングスタッフとして働いています。学生時代の「体型研究」という授業で、自分の体型にとことん向き合ったことが良かったと話していました。

軟骨無形成症で、身長135cmというコンパクトサイズの土井編集長。胴体のサイズは一般の方と近いけれど、腕と脚が短いという特徴があるそうです。古着屋さんやセールで上手に見つけた洋服を、自分の体型に合うよう、お直しして着ているそう。「ぴったりのサイズの服が見つかったら、やった!って感じ」。子ども服も上手に取り入れていました。

「『Co-Co Life☆女子部』にはファッションが大好きな子がたくさんいるので、文化服装学院のファッションショーに、ぜひモデルとして起用してもらいたい」と話しました。

(左)タレント部のYou→kiさん、(右)車いすラグビー選手の長谷川勇基さん

2019年10月に行われたタレント部のオーディションに応募して、見事に合格したYou→ki(ゆうき)さんは、日頃は化粧品会社に務めています。今日は初の講演でした。「初めての講演が、大好きなファッションのことを話す時間で、本当に嬉しい!」と語りはじめました。

韓国が大好きで、韓国ファッションも大好き。「お買い物目的で年に3・4回は行きますし、1人でも行っちゃう」というアクティブ派です。一方、車いすをこぐときに袖が汚れてしまうので、白い服が着られないのが悩み。外に出かけるのが大好きなので、車いすで入れるお店がもっと増えるといいのに、とも話していました。

車いすラグビー選手の長谷川勇基さんは、スタイリッシュな全身黒のコーディネートに、金髪という個性的なスタイルで登場! 個性的で人気があるイギリスのファッションブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の、シルバーの大ぶりなネックレスが胸元に輝いています。

自動車免許を取得してから、買い物はもっぱら、車で行くそう。右手はベルトでハンドルに固定し、左手でアクセルとブレーキを操作。「車で行くと、気兼ねなく大量に買い物できるし、体温調整が苦手な僕でも、寒い時期でも出かけられるのがいいですね」。東京・新宿の伊勢丹メンズ館がお気に入りだそう。

パラリンピック直前で、車いすラグビーの練習にも熱が入る時期。最近は体育館と家の往復で、買い物に行けなかったのですが、NIKEのスニーカーの抽選に当たったのが嬉しかったとか!

「需要と供給の関係で、障がい者のためだけの服を作るのは難しいと思うし、なかなか売れないと思う。でも、作る人は、こういう(車いすなどの)人間がいるっていうことを頭の片隅に置いて、服を作ってくれたら嬉しい」と、洋服を作る人に対しリクエストしました。

学生・教員とファッション関係者、合わせて50名もの聴講生が話に聞き入りました
会場には「Co-Co Life☆女子部」創刊からの全30号が勢揃い! 懐かしい表紙もありますね。

「Co-Co Life☆女子部」、Co-Co Lifeタレント部では、障がい特性やユニバーサルデザインに関する講演・企業研修などを積極的に承ります。お気軽にお問い合わせください。