レトロな街並みと自然のコントラストが美しい東京都青梅市。東京駅からJR中央快速に約75分乗れば、昭和の時代にタイムスリップ。昔ながらの商店が多く存在し、猫をテーマにしたカフェや映えスポットがあります。春の暖かな日に、ぶらりと女子旅を満喫してみませんか?車いすでも問題なく遊びに行けるのか、ココライフ女子部の読者モデルと取材班で検証しました!
【今回のモデル】

左 赤津慶美さん(23) 脳性まひ(痙直型四肢麻痺) / 右 鈴木すずさん(34) 統合失調症
【スケジュール】
10時00分 ●JR青梅駅 集合
↓ 商店街を歩きながら映えスポットで記念撮影
10時30分 ●昭和幻燈館
↓
11時20分 ●ナミオ珈琲 ねこラテアートとパフェを味わう
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12時50分 ●まちの駅青梅 今日の思い出にお土産を買おう!
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13時30分 ●JR青梅駅 解散

【レトロ商店街を歩いて】
取材当日は青梅駅で待ち合わせ。駅に着くと、すでに赤津さんと鈴木さんが集合していました。
二人は30分前に到着したとのことで、頭が下がります。青梅は初めて訪れる街だったため「昨日の夜はあまり眠れなかったです〜!」と赤津さんは早起きして青梅に向かったことを教えてくれました。早速、散策スタート!
昭和幻燈館は青梅駅から歩いて7分ほど。ですが、商店街にはところどころにレトロな雰囲気を味わえる建物やお店があるので、歩いている途中に映えスポットを見つけると途端に寄り道。


「見て、あのレトロな看板!」とオードリーヘプバーンの「ローマの休日」のワンシーンを描いた看板を発見!すぐさまスマホで撮影が始まります。
実は青梅といえば裏路地も魅力の一つということをご存知ですか。映画看板だけでなく、写真作品やネコアートなど、思わず誰かに教えたくなる面白さが街の至る所にあるのです。
【昭和幻燈館へ】
商店街を直っすぐ歩いていると、かわいいネコのイラスト看板が目に飛び込んできました。昭和幻燈館は、ネコ好きなら一度は訪れたい博物館です。
ですが、ここで難題が…館内の前には一段小さな段差がありました。赤津さん一人では車いすで上がれないとわかり、お手伝いすることに。電動から手動に切り替え、後ろから車いすを押して上がりました。

昭和幻燈館では、障害者手帳を持っていると通常料金250円から50円の割引があります。
入口の壁に並ぶ昭和の名優たちのブロマイドが気になりました。「えーと、この人は山口百恵?」と言いながら、鈴木さんも興味深い様子。
戦後のスターたちのブロマイドは、今では貴重なもの。なかなか手に入らないかもしれません、青梅に来たらぜひチェックしてみてくださいね。


館内は有田ひろみ・ちゃぼの母娘が『Q工房』というユニットで作成した人形やイラスト、昔の青梅を再現したようなジオラマが展示されています。
一周しながら、作品を丁寧に鑑賞し、ネコのキャラクターからにじみ出る素朴さと愛らしさに癒されました。

【ナミオ珈琲で女子トーク】
続いて向かったのはナミオ珈琲。昭和幻燈館から道路の反対側に見える昭和レトロ博物館の1階に店を構えています。焼きドーナツと珈琲、音楽を楽しめるおしゃれな喫茶店です。こちらは車いすのまま、すんなり出入りができました。
店内ではレコードがかかり、窓から光が差し込み明るい雰囲気が印象的。壁の古時計が「ボーン、ボーン」と大きな音で鳴り、一気にレトロ感が増しました。赤津さんと鈴木さんもメニューを見ながら、うれしそうな表情を浮かべます。

彼女たちが注文したのは『ドーナツ&カフェラテのセット』と『アフォガートパフェ』どちらもネコをテーマにした青梅らしいスイーツです。
「焼きドーナツがおいしい!柚子味を選んで正解だったなぁ」と鈴木さん。ドーナツは味が4種類、柚子味は青梅の沢井で採れた柚子をジャムにして練り込んであるのだとか。
「アフォガードは、コーヒーゼリーが濃いので大人の味。パフェの中にもドーナツが入っていて嬉しい!」と赤津さんはぺろりと平らげました。

ここでは女子トークが炸裂し、普段の仕事や趣味やSNS発信について話が盛り上がりました。ココライフ女子部で今後やってほしい企画まで提案してもらい、居心地の良さについ長居してしまいました。
お会計時に「ナミオ珈琲」店名の由来を、店主の渡邉藍さんに伺いました。自宅で飼っている二匹のネコたちの名前から付けたのだとか。「波(ナミ)と澪(ミオ)は保護猫なんです」と教えてもらいました。


【お土産は、まちの駅青梅に決まり!】
楽しいひとときを過ごし、帰りは商店街を再び歩きながらゆっくり駅に向かいます。赤津さんは電動車いすを器用に乗りこなしますが、横断歩道や商店街に面した道は傾きがあり、勢いを付けて進まなければ若干不安に感じた道もあり、「当事者でないと分かりにくい微妙な段差が多いです」と慎重に進んでいました。
一方、鈴木さんは「マンションに住んでなければ、ネコを飼いたいのに」と話しながら、もっと市内を散策したいとキョロキョロ見回していました。

最後は電車に乗る前に、駅前にある「まちの駅青梅」に家族へのお土産を購入。2022年に移転した店舗は、近所の方から観光客まで毎日大勢の人が買いに来ます。
入口は車いすの場合は、一人では上がりにくく、後ろから押してもらう必要がありました。一歩店内に入れば、車いすでもすんなり移動ができます。
「こんにちは、よくいらして下さいました」と優しく出迎えてくださったのは、まちの駅青梅の代表 和田保彦さん。青梅の特産物を中心に、採れたての新鮮野菜や地酒を始め、わさび商品や手作りパンなどを販売し、その数なんと60社以上あるのだとか。
「このチョコおいしそう!」と二人は青梅のパティシエが作るプラムロールショコラが気になっていました。試食をいただき、青梅のほうじ茶・梅・柚子のフレーバーによる巻チョコの口どけの良さと香りをじっくり味わいました。


和田さんは店舗の紹介を含め、中でも青梅発祥のホットマンで話題の「1秒タオル」について丁寧に説明して下さいました。
ホットマンのタオルはシルクの柔らかさと光沢があり、タオル生地に水滴が落ちると1秒以内に沈み始めるほど吸収性に優れています。誰かのプレゼントや自分のご褒美に買う人が多く、高級感のあるタオルです。
それぞれがお土産を購入し、取材班もせっかくなので自宅用にチョコレートや麺類を購入。たった3時間半で青梅にちょっと詳しくなり、また遊びに来た時には家族や友達を案内できそうです。
春の風に吹かれて、青梅を満喫した二人。最後に今回のツアーについて感想を伺いました。

【青梅の街並みを歩いてみて、いかがでしたか?】
赤津さん:普段から車いすで都内に出かけますが、お台場や舞浜などフラットで安全な場所を選びがち。青梅は初めて出かける場所で、私にとっては勇気のいる参加でした。車いすを操作して、一人で行くには難しいと感じる場面もありましたが、頑張って進んだ先にかわいいネコやレトロな雰囲気を体感できるスポットに行くことができたのは、とてもいい思い出になりました。今回のツアーを私も個人のSNSで発信していきたいと思います。車いすユーザーの方がお出かけするきっかけになれれば嬉しいです。
鈴木さん:私は今、就労A型で働いています。いつもとは違う環境で、どんなツアーを体験できるのかワクワクしていました。大人になると新しい出会いが少ないですが、今回初めて赤津さんとお会いし、仲良く過ごせたことがとても嬉しかったです。私は体力に自信がないので、たまに旅行に行っても初日しかまともに観光できないこともあります。でも、今日は青梅駅から徒歩15分以内でたった3時間半の短い間にいろんな場所を行けたことに驚きました。さほど、お金がかからない遊びができたこともよかったですし、今度は青梅でも違う地域を散策したいですね。
読者モデル2人の青梅巡りの様子は動画でもご覧いただけます!
【ご協力いただいた店舗】
昭和幻燈館

〒 〒198-0084 東京都青梅市住江町9
Tel:0428-24-2465
営業時間:10時00分〜17時00分
定休日:月・火・水・木
― 自家製焼きドーナツと珈琲と音楽のお店 ―ナミオ珈琲

〒198-0084 東京都青梅市住江町65
営業時間:10時00分〜17時00分(ラストオーダー16:30)
定休日:日・木・祝
https://www.instagram.com/namiocoffee
まちの駅青梅

〒 198-0083東京都青梅市本町163-2-2
Tel:0428-22-0888・050-1334-1522
営業時間:10時00分〜19時00分
定休日:年中無休
https://www.matinoeki-oume.com
https://www.instagram.com/matinoeki_oume/?hl=ja
《バリアフリー情報》
2025年3月現在


《アクセス》
電車でのアクセス
- JR中央線(新宿・東京方面)で立川駅へ。
- 立川駅でJR青梅線に乗り換え、青梅駅まで約20分。
車でのアクセス
- 中央自動車道または圏央道を利用し、青梅ICで下車。そこから約15分で青梅市内に到着。
詳しくは青梅観光案内をご覧ください。
写真:鈴木智哉 取材・文・動画:飯塚まりな