車いす用バッグ開発ストーリー 第2弾 鈴木工芸所×Co-Co Life☆女子部コラボ企画  第2回 グループインタビュー実施しました!!

2017年5月13日(土)、2回目のグループインタビューが「勝どき」の会議室で行われました。

「車いす専用バッグは、可愛いくて素敵なのがナイ!」 ならば、「使う人が幸せな気持ちになる、素敵な車いす用バッグ」を作ろう! という考えから出発したこの企画。

2月に行った、第1回グループインタビューの反響も大きく、車いす専用バッグの注目度の高さが伝わってきました。

▽前回のグループインタビューの様子はこちら
http://www.co-co.ne.jp/?p=4498

今回(第2回)グループインタビューに集まってくれるのは、Co-Co Life☆女子部読者5名の予定。
しかし、この日は朝から冷たい雨。
車いすでの外出は大変だろうとスタッフ一同心配していると、
参加予定の3名から次々とキャンセルの連絡が入ってしまいます。

悪天候での車いすユーザーの外出は、ハードルが高いのだとあらためて痛感しました.

そんな中、インタビューに集まってくれたのは、梅津絵里さんと小澤綾子さんの2名。
(雨に濡れながらも会場まで来てくれました。ありがとうございます。)

絵里さんは、普段から女子会を開いたりと感度高めのネットワークを持っている秋田美人。

綾子さんは、大手IT企業にお勤めで、ライブ活動でステージにも立つアクティブ女子。

今回は前回のグルインの内容を反映させて作った、試作品を発表。
実際にふたりに試着していただき意見を聞きます。

まずは、試作の段階で不採用になったバッグを試してもらいました。

どこがどんな風に失敗なのか、問題があったのか、採用されなかったデザインも見てもらい、
開発プロセスの試行錯誤を紹介しました。

綾子さん 「これ紐が長過ぎて、外側につけても内側につけても使いにくいかな」

絵里さん 「ん? どうなってるのコレ?」 「どうやって車いすに付けるんですか?」

これは工夫をこらした仕様が、かえって使い手を惑わす仕組みになったパターン。

開発者の井上さんは、「使いにくいですよね、だって失敗作ですから(笑)」 と言いながら、
正しい使い方のレクチャーと、製作意図を説明してくれます。

それを聞いたふたりの感想は、「なるほど。でも使い方を聞かないと使えないバッグですね~」とバッサリ。
このように残念ながら採用されなかった試作品たちなのですが、存在意義は大いにありました。

どんな工夫や、配慮があって考えられたデザインだったのか、
新しいバッグを開発する悪戦苦闘の道程が垣間見れて、
作り手の、車いすユーザーさんへの思いや情熱を知ることができました。

そして、これらの不採用の実例を見ることによって、
どこに着目して意見や要望を述べると有益なのかにも気づきます。

発想のヒントも隠れていて、より濃厚なインタビューに繋がりました。

さて、いよいよ、試作品の登場です! 正式ブランド名も決定しました!
ブランド名は、「ADOM」(a diversity of methods)意味:多様性、
いろいろなやり方 鈴木工芸所さんは「ADOM」の試作品を2パターン用意してくれました。

ひとつは、大きな取出し口がポイントで、モノの出し入れがしやすいタイプ。
もうひとつは、ゴージャスでファッション性の高いデザインで、モノが落ちにくいタイプ。

それぞれ特徴が違います。
ふたりとも初見で、「かわいい! 両方欲しい!」と気に入った様子。

実際に、肩にかけたり、膝に置いたり、車いすにかけたり、いろいろなパターンで試着してもらい、
意見を聞きます。

「これはモノが取り出しやすくて、使いやすい!」と絵里さん。
ご自分の私物を入れてみて、出し入れチェックをしてくれました。

綾子さんは「Co-Co Life☆女子部」の冊子を入れて、
「B5も入るし、ちょうどいい大きさですね~」と言ってくれました。

二人とも自発的にいろいろと試して、的確な意見を述べてくれます。
今回は人数こそ少ないグルインになってしまいましたが、最強メンバーの二人が揃ったような気がします。

有益な感想や鋭い指摘がどんどん出ます。
ふたつのデザインを試して絵里さんも綾子さんも、「いいね~」「欲しい~」を20回くらい言ってました(笑)

素材の選定については熟考し、本革部分と人工レザー部分があります。

採用された人工レザーは防水性があり、水分に対して不透過。
雨の日でもさっとモノが出しやすく、中のモノが濡れにくいデザインになっています。

今日のような雨の外出にも使える心強いバッグです。
取り付け器具についてもさまざまな種類の中から選定。

紐の太さについては、肩掛けタイプを愛用している綾子さんの意見は、
「細いと肩にくい込んで痛いので、ある程度の太さは欲しいです」
しかし、同時に、「あまり太いとオシャレ感がなくなるのでそれもイヤです」とのこと。

ふたりが共通して話してくれたことは、車いすを使って出掛けると、
ファッションでのバッグの占める割合がとても大きく、
膝にのせていると洋服よりもバッグの方が目立ち、最初に人の目につくのだといいます。
だからこそ、バッグ選びは重要で大切なことなのだそう。

1時間半のグループインタビューは、あっという間に終了。
最後に鈴木工芸所の井上さんが、
「今日はたくさん、『イイネ』を言っていただきありがとうございました。

そして、背反するふたつの意見や感想もあり、新しい課題も見つかりました。
それに答えていくのが私達の仕事だと思っていますので、いただいた意見を調整して、
さらに良いものを製作しますので、完成を楽しみにしていてください」 と話されました。

今回のグループインタビュー結果を踏まえて、
車いす専用コラボバッグはさらにブラッシュアップして製品化へと進みます。

Co-Co Life☆女子のハートを射止める素敵なバッグの完成に向けて、
スタッフもますますがんばります!

車いすユーザーのみなさん、楽しみにしていてください♪
バッグ完成後は誌面でも開発ダイジェストを掲載予定です。

◆◇◆ グループインタビューに参加した感想 ◆◇◆

絵里さん 「初めてこういったインタビューに参加しました。
車いすユーザーの生の声を聞いて商品を作ってくれる企画はとてもいいと思います。
企業の製品作りのプロセスを知ることができたのも楽しかったですし、
自分以外の車いすユーザーさんの意見や考えを聞けたこともよかったです」

綾子さん 「今まで既製品を我慢して使うしかなく、
障がい者は日々しょうがないよねという思いを持って生活していることが多いのですが、
こうして企業と話し合って、自分達の声が反映された商品ができるというのはとても楽しみです。早く買いたい!」