障がい者の就労サポートと言えば、「就労移行支援」や「就職エージェント」などの、就職するための知識やスキルの習得や定着までのサポートをしてくれるサービスをイメージする方が多いはず。
その一方で、仕事やキャリアを実現するため、”マインド”へのアプローチを支援してくれるビジネススクールがあるってご存じですか?
その名も、「D-Biz College(ディービズカレッジ)」。プロの当事者によるコーチが担当について、目標達成のためのサポートをしてくれるのだとか。
そこで、代表の渡邊 佑さんに、サービスの内容とそのポイントについて伺いました。
★「みらい人」では渡邊さんの事業についての思いをご紹介していますので、ぜひご覧ください!
「誰もが誰かのヒーローになれる」当事者自らが道を切り開き、社会に変革を
コーチングや学び、仲間との交流を通じて、マインドから自己実現をサポート

D-Biz Collegeは、「“働ければいい”の、その先へ」をコンセプトに、障がい者のキャリア形成を支援するビジネススクール&コミュニティです。コーチングによるクラスセッションと個別セッション、そしてスクールコンテンツとコミュニティでの交流などを通じて、就労中の方のスキルアップや自己実現をサポートします。
コンセプトにある「働ければいい」は、実際に障がい当事者から聞いたエピソードや、渡邊さんが「障がい者の就労支援の仕組みは、就職がゴールになっている」と感じた気づきからつながっています。本人も企業も家族も『雇われればいい』というスタンスになっている社会だと、就職した後にモチベーションが上がらなかったり、自己実現につなげられなかったりという問題が発生します。
そんな方のために、担当コーチによるサポートで、自分が目指す先を見出しながら、イキイキ働くためのマインドを育てていきます。
当事者コーチによるコーチングで、未来の自分の姿を描ける!

まずは、グループで行うクラスセッションと、個別セッションという2種類のコーチング。クラスセッションは8名以下の少人数でのグループで、受講生同士で自分の進捗や目指していることなどをシェアし合います。
「他の人の話を聞くことで『私ももっと頑張れそう』って思えるし、代理体験ってすごく大事なんです。実際、最初は自己肯定感がすごく低くて、100点満点中30点くらいだった人が、セッションを受けるうちに90点になっていくというのはよく見ます。パワフルな人の話を聞くだけで、グンと変わりますね」(渡邊さん)
D-Biz Collegeでは、心的コンディションを診断するツール「HEROIC」を使い、その時の心の状態を点数化し、モニタリングしています。変化が数字ですぐに感じられるのも、モチベーションアップのポイントです。
また、個別セッションでは、それぞれの担当コーチと1対1でコーチングを受けられます。D-Biz College最大の魅力は、プロコーチに障がい当事者がいるということ。それぞれに多様な背景を持ち、つらく壮絶な体験をしている中で、現在、精力的にそれぞれの世界で活躍している方々コーチ陣は、まさに受講者のロールモデル!当事者のコーチと話すことで、将来の自分の姿をイメージしやすくなるのです。
「コロナ禍に、障がいや難病のある方に無償でコーチングの養成講座を提供しました。しっかり自分の人生と向き合っている障がい者の方々はコーチに向いていると思っています。野茂英雄が先駆者になってその後の日本人のメジャーリーガーへと繋げたように、障がいがありながら活躍しているロールモデルと接することで、受講生が自分の未来に期待が持てるようになる、と考えています」(渡邊さん)
D-Biz Collegeの当事者コーチには、Co-Co Life☆女子部でもおなじみの小澤綾子さんも。
小澤綾子さんのメッセージ

「私は進行性の難病・障がいがあります。病気がわかった20歳の時は、未来が見えずどん底でした。社会に必要とされていない私は生きている意味がない、そんなことまで思っていました。私は運よく自分のなりたいキャリアを歩んできましたが、それを運に任せたくない。好きな仕事に就き、学びたいことを学び、自分らしく生きる。一筋縄でいかないかもしれないけど、諦めなくてもいい、そんな世界を作るため、障がいのある仲間を集めて生まれたのがD-Biz Collegeです。学びやすい環境、目標に向かう仲間、相談できるロールモデル。そんな環境がここにはあります」
セルフコーチングを身につけて自分を卑下しないマインドへ

スクールコンテンツでは、20種類以上のビジネス講座を学べます。Eラーニングなので、いつでもどこでも空いている時間に学習できるのがうれしいところ。もちろん、動画は字幕完備で、アクセシビリティの観点でも安心です。
講座は、経営戦略やマーケティング、財務管理、組織マネジメントなど、仕事に直接結びつく知識やスキルを学べますが、最もD-Biz Collegeらしさが光るのが「セルフコーチング」の学習。自分で自分を導くスキルを、何度も繰り返して振り返りをしながら、しっかり身につけていきます。
「自己肯定感を上げる前にやらなければならないのが、『私ってダメだな』という、自己”否定”感を下げることです。自己否定感が低いまま自己肯定感を上げようとすると、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるようなもので、エンストしてしまいます。
自分で『ダメ』という言葉を言ったり考えたりすることで、脳がダメな部分しか見えなくさせてしまっているだけ。セルフコーチングをしっかり学んで、そのロックをはずして、自分で自分をいじめないようにベースを作っていきます」(渡邊さん)
まずは自分を認め、良いところを見つけられるようなマインドを徹底的に身につけることで、自信につながっていくのですね。
自己肯定感が低い人ほど伸びる!ポジティブな仲間と楽しく生きる視点を身につけよう

コミュニティでの交流では、受講生同士がポジティブな声をかけ合うことで、切磋琢磨し合い、よりモチベーションが高まっていきます。また、前向きな世界の中で当事者の仲間ができるので、楽しく良い友人関係を築くことができます。
「障がい当事者同士では、ネガティブなコミュニティになりがちです。その時は楽しくスッキリするのですが、やはり長期的には脳にとってよくありません。でもD-Biz Collegeのコミュニティは『障がいがあるけど前向きに生きよう』という人たちが集まっているので、朱に交われば赤くなるというように、みんなポジティブになります。周囲と話しながら自分から『変わりたい』と思えるよう、根っこの機会を作っています」(渡邊さん)
自己肯定感が低い人ほど、伸びしろが大きいだけに成長する、と渡邊さんは言います。
「働くっていうのは、あくまで人生の一部。まずは楽しく一生懸命生きるのが大事で、仕事は1つの要素にすぎないんです。他に、趣味もお金も健康も大事ですよね。それぞれを点で見ているところを、コーチングによって少し視点を高めて俯瞰することができれば、ポジティブに考えられるようになると考えています。自信ないと思っている人ほど、めちゃくちゃ元気になっていくので、そう思っている人ほど一度来てほしいと思いますね」(渡邊さん)
障がいの種別などに制限はなく、どなたでもチャレンジが可能。1か月の無料体験も実施しているので、「仕事のモチベーションが上がらない」「自分に自信がなくて仕事が楽しめない」「将来の生き方に不安を感じる」など、少しでも行き詰っていると感じる方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
詳しくはこちら!
D-Biz College
<プロフィール>

渡邊 佑(わたなべ・ゆう)さん
早稲田大学を卒業後、京セラグループのコンサルティング会社に入社。2015年3月MBA(経営管理修士)を取得。2016年に『Coaching 4U』を設立。個人・組織向けのパフォーマンス向上を目的としたコーチングソリューションの提供や組織変革コンサルティングに従事。2023年に株式会社EiUを設立し、ビジネススクール&コミュニティ『D-Biz College』を立ち上げ。就労障がい者のキャリア支援をおこなう。